long trail | teararoa #01                   ついに始まった1000kmの旅(Queen Charlotte Track)

はじめに

みなさんこんにちは。とらちゃんです。

『long trail | teararoa』では、大学入学と同時に登山を始めた私が、入学後半年で大学を休学して、2023/02/15〜2023/04/27にかけて1人で日本を飛び出し、ニュージーランドで歩き旅をしていた日々を、当時の日記を見返しながら綴ります。

#00では、出発に至るまでの経緯を綴りました。#01では、人生初の海外で右も左も分からないながらも、なんとかスタート地点である南島の北端に辿り着き、初めのセクションであるQueen Charlotte Trackを歩く様子を、当時の記憶を呼び起こしながら赤裸々に綴ります。お楽しみください。

長時間のフライトで足爆発

関空を出発し、マレーシアで乗り換え、ニュージーランドの首都Wellintonにつくまで、約31時間。3ヶ月前にダイトレ(ダイヤモンドトレイル通称ダイトレ:近畿地方の有名なトレイル)を爆走し痛めた膝が、エコノミー席の狭い足場で悲鳴を上げていた。せっかくNZまできたのに歩かずに帰るわけにはいかない。しかし無理して悪化するのも怖い。初めのセクションであるQueen Charlotte Trackは比較的優しいトレイルであるという情報を教えてもらったので、様子を見ながら歩くことに決めた。

買い出し

さて、初めのセクションは次のリサプライできるところまで5日間だ。正直、何をどれくらい買えば良いかはよくわからないのだが、取りあえず5日分と思われる食料、燃料、それとQueen Charlotte Trackを歩くのに必要になるパスを買った。一番手に入れるのに苦労したのが固形燃料だ。そもそも日本の個人山行でも固形燃料を使っていたし、何よりすごく軽量化できると考えたので、ガスやアルコールではなく固形燃料でやっていこうと考えていた。しかし、アウトドアショップに私が探し求めていたエスビットの固形燃料は取り扱いがない。そもそも固形燃料を取り扱っていないところばかりだ。モンベルがあればなあ、とモンモン言いながらひたすらアウトドアショップを巡っていると、やっとのことで固形燃料を見つけた。探していたメーカーのものではなかったが、この際そんなのどうでも良い。店にあるだけ買い占めた、、、だがしかし この後この固形燃料に苦しめられることになるなんて、この時の私はまだ知る由もなかった。

南島のトレイルヘッド Ship Coveへいざ行かん

Wellinton→picton→shipcoveへとフェリーで移動した。乗船中、地図と睨めっこしながら行程を考えていたのだが、どうやらもう着いたらしい、おじちゃんが降りなくていいの?と声をかけてくれた。あやうく降り過ごしてしまうところだった。感謝感謝。

Queen Sharlott Track

初日 テント場につくと、料金支払い方法やキャンプ場の使用における注意などが書かれた案内板があるのだが、そこにportable stoves onlyと記載されていた。理解力の乏しい私は、大きな勘違いをして、固形燃料は使用禁止と勝手に思い込んだ。あれほど舞い上がって買い占めた固形燃料は、その瞬間ただの重りとかした。

例の案内板

5日間、火のない生活をするのはとても辛かった。マッシュポテトの粉を水でもどし、食後にはキャラメルラテの粉を水で溶いて飲んだ。そんな惨めな食生活を送っていた私だが、3日目のテント場で運命の出会いを果たした。プライベートでニュージーランドに来ていた日本人女性の登山ガイドさんに出会ったのだ。一緒に晩ご飯を食べていた時、あまりにも質素な食事をする私を見て晩ご飯を分けてくれた。その時食べたライスヌードルは信じられないくらいに美味しくて、その後の山行飯のレギュラー入り確定の瞬間だった。

トレイルは多くの人が入っているようで、道は明瞭で迷いそうになるようなところもなく、非常に歩きやすかった。ズキズキ傷んでいた膝も、機嫌を良くしたのか、大人しくしてくれていた。海外トレッキングデビューにピッタリのトレイルだ。海が見える見晴らしの良いところには、ここが休憩ポイントです!と言わんばかりにベンチが設置されていた。

天気にも恵まれ、一度も雨に降られることなく快適に歩くことができたのだが、一つ文句を言うとすれば、セミがすごいということだろうか。とにかくすんごい。耳がもげるんじゃないかと思うほどの大合唱。顔に突撃してくることもしばしば。事前にセミがすごいと聞いてはいたが、想像のはるか上をきた。だが、そんなことも簡単に許せてしまうくらい素敵なトレイルなので、行きたいと考えている人は是非とも安心して欲しい。

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