はじめに
みなさんこんにちは。とらちゃんです。
『long trail | teararoa』では、大学入学と同時に登山を始めた私が、入学後半年で大学を休学して、2023/02/15〜2023/04/27にかけて1人で日本を飛び出し、ニュージーランドで歩き旅をしていた日々を、当時の日記を見返しながら綴ります。
#00では、なぜteararoaを歩こうと思ったのか、資金調達はどうしたのか、大学休学について、などニュージーランドに旅立つ直前までの奇想天外奇妙奇天烈な日々を赤裸々に綴ります。どうぞ、渾身の写真と共にお楽しみください。
teararoa(テアラロア)とは
そもそも、teararoaとはなんなのか。
NewZealandの公式サイトではこのように謳われている。
The Long Pathway, taking in spectacular landscapes from coastlines, volcanoes and forests to cities.
https://www.newzealand.com/us/feature/te-araroa-trail/
teararoaとはNewZealandの北端から南端までをひとつに繋いだ3000kmのトレイルであり、また、街と自然と人とを繋ぐ、長い時間をかけて醸成されてきた文化なのである。
実際に私が歩いたのは、南島北端〜南島南方の都市Queenstownの直線距離にして約1000kmの道のりである。
teararoaを歩こうと思ったきっかけ
きっかけは、とあるyoutuberの動画である。約三分間の動画の中に収められていた自然、文化、生活に「これだ!」と思った。田舎から大阪に出てきて大学に入学してから、何か面白いことがしたいと、悶々としていた日々に光が差した瞬間だった。大学に入学してから始めた登山、まだ登山暦は半年程度である。合宿では先輩におんぶにだっこだった。山に持っていくもの、休憩を取るタイミング、歩く道、全て指示に従っていただけだった。もちろん知識も経験もない私を責任を持って山に連れて行ってくれる部活には感謝しかなかったが、自分で主体的に自然や身体と向き合いたいと感じていた。ひとりでlongtrailを歩くということは、当時の私にとって大きなチャレンジであり、チャンスであった。
大学休学
さて、そうと決まれば大学の休学手続きを進めなければならない。ところが気づいたのはアルプス山行の真っ只中。ようやく下界に降りて電波をゲットしたのは、申請期間の終了一週間前だった。あら危なかったわ、と思ったのも束の間、四国の親を説得し、担任の教授に承認をもらい、大学に書類を提出しに行くにはどう考えても日数が足りないことに気づく。実質タイムオーバーだ。しかし、どうやら当時の私の頭には試合終了のゴングは鳴り響いていなかったらしい。教務に直接連絡をし、なんとか滑り込みOKという判定をもらうことに成功した。
資金調達
こうして無事大学休学が決まったわけだが、まだ大きな問題が残っていた。
そう、シンプルにお金がなかったのだ。夏休みに突入し、三度のアルプス遠征を終えたばかりの私の預金口座には、夏休み前の倹約生活のわずかな名残が悲しい数字となって残っているだけだった。
資金調達の手段としては、家族に借りたり、クラウドファンディングをしたり、某アウトドアメーカーの支援プログラムに申し込んだり、といろいろな選択肢が考えられた。しかし、自由奔放の私が、誰かのお金で責任を持って旅をするというのは不可能に思えたため、自分で稼ぎ、自分のお金で、自分のためだけに旅をすることを決めた。
決断してからは、ひたすら服にタグをつけるだけの日雇いバイトや、短期雇用のコールセンターで馬車馬の如く働いた。
持っていくものの準備
装備に関しては、お察しの通り、トレンドのU.Lギアなんかを買う金銭的余裕はなかった。
手持ちの愛用ギアの軽量化と、荷物の削減に邁進した。ウェアのタグを切り落とし、歯ブラシはkid’sサイズに、保温ボトルはペットボトルに替え、一眼レフと文庫本は熟考の末、自宅の留守を任せることにした。
ここまで軽量化にこだわったのは、もちろん身体的負担を減らしたいという思惑もあったのだが、何より飛行機に乗るのに、荷物を預け入れるのが嫌だったからだ。追加料金を払う上にロストバゲージの不安を抱えるなんぞ断固拒否。血眼になって探した格安航空の手荷物の重量制限は7kgであった。この制限をクリアするために、つまりベースウェイト(燃料や水、食料を除いたザックの重さ)を7kg以下に抑えるために、寝る間も惜しんでg単位での軽量化に努めた。
最後に
インスピレーションを与えてくれ、応援してくださったタカクラさん。情報をたくさん共有してくださり、チェックインパーソンを引き受けてくださったwakoさん。登山というものを教えてくれた大学の部活。部活の仕事をほっぽり出しNZへ行くことを寛大な心で許し、送り出してくれた同期。見守ってくれた友人や家族。現地で出会ったhiker、Kiwi、旅びとたち。そしてニュージーランドの自然と文化に心より感謝します。
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