山遠征 | 立山に立てこもり #03 大日三山縦走

初めに

みなさんこんにちは。とらちゃんです。

『山遠征 | 立山に立てこもり』ではあーちんと2人で行った6日間に及ぶ立山遠征の山行録をお届けします。

#02では、大雨のため、停滞日とせざるを得なかった2日間の山行録 湯録をお届けしました。#03では、ついに嵐が過ぎ去り、この遠征 後半戦に突入します。大日三山から見える雄大な剱岳の姿を写した写真とともにお楽しみください。

さ、さすがに今日は山いけるよね?

「二度あることは三度ある」か、「三度目の正直」か、天気はどっちに転ぶかと ドキドキしながら、早朝3:00 目を覚ます。雨粒がテントを叩く音が耳に入る。絶望オブ絶望。お天道様に「マテ」と言われてもう3日目。「どんだけ待たせるワン!」とつい突っ込みそうになる。数時間後、天候が回復していることを願って、二度寝をする。8:30 起きると雨音は鳴り止んでいた。恐る恐るテントから顔を出すと、どんより曇ってはいたものの、雨は上がっていた。私とあーちんは大喜びでキャンプ場を駆け回り、って誰が犬やねん!(すいません)とにかく、今日は山に行けそうだということで、私とあーちんは作戦会議を始めた。

プラン

9:00 朝食を食べながらプランを立てる。雨が止んだということは、おそらく嵐は過ぎ去った。明日はもっと天気が良くなるだろう。ということで、明日に立山三山周回を残しておき、今日は奥大日岳・大日岳のピストンをする事に決めた。コースタイムは7時間30分。今から出発すれば十分日の入りまで余裕がある。もし、時間的にも体力的にも余裕があれば、日の入りの時間帯に稜線上まで上がるのもいいねと話した。

奥大日

キャンプ場から100mほど標高を上げ、稜線まで上がってしまうと、そこからは眺めの良い爽快な稜線歩きが続く。北は剱岳、南は五色ヶ原へと続く稜線。視界を遮るものがない大パノラマは、山にいながらも山に飢えていた私とあーちんの渇き切った心を潤してくれた。

大日岳

奥大日岳から大日岳までのコースは、梯子や鎖場もあり、想像していたよりもしっかり登山という感じだった。途中で雷鳥の群れにあったり、ホシガラスを見かけたり、野鳥ハンターのトラちゃんはすっかり上機嫌。ガオ〜。

たくさんの雷鳥さんに会えたのは悪天候のおかげ?

大日岳からの眺めは素晴らしかった。曇ってはいたが、視界は良く、ようやく剱岳の全貌を拝むことができた。

遠征5日目にしてようやく剱岳の全景が現れた

大日小屋の灯りはランタンで、きっと夜は素晴らしく美しんだろうという雰囲気を醸し出していた。私とあーちんは 名物のカレーうどんを頼み、料理が来るまでの間、落書き帳に自分達の軌跡を残した。待ちに待ったカレーうどんは、出汁が効いていて、麺はチュルンとしていて喉越しがよく 非常に満足の一品であった。

あーちんが撮ってくれていた写真をお借りました

途中ポロポロと小雨が降り始めたので、足早にキャンプ場まで戻った。

活気を取り戻した雷鳥沢

夕方、キャンプ場に続々と登山客がやってきて、テントを張り出した。がらんとしていたキャンプ場は、気付けばテントで犇き合い、かつての活気を取り戻した。そこには 昨日までの殺気だった空気感は少しも残っていなかった。

周りには、イカを焼いて おつまみにしてビールを飲んでいる人や、プチBBQなるものをしている人がいて、皆思い思いに野営を楽しんでいた。風に乗ってやってくるそれらの匂いは、フリーズドライで乗り切ろうとする私の鼻腔をこれでもかと刺激し、「これなにハラスメント!?」とキレそうになる。初日に 高級ソーセージ片手にステーキを食べている人間がなに言ってんだか。

そろそろ日が暮れそうだという時、急に山々を隠していたガスが晴れ、重たい雲は流れ始めた。太陽の温かい光で立山三山が浮かび上がる。その時キャンプ場にいた皆が そのひと時を共有していた。あーちんと、「明日はこの稜線を歩くんだねえ」と話しながら、期待に胸を膨らませる。まだ少し湿ったシュラフにもぐりこんで目を閉じた。

コメント

  1. あーちん より:

    大日三山編はいいですね。
    秋雨前線に左右されたこの旅の中で、わりとまともに山旅ができた貴重な記事であります。

    まさに「立山に立てこもり」状態で、私たちの原動力となったのはやはり山でした。が、2日の停滞中にぷんぷんと募った思いを晴らすことができたかというと、うーん(-_-;)でしたかね?それでも、記事にあるように、雷鳥にも数多く会えましたし、なにより旧友との山行の思い出の地で、私にとってはとーーっっても楽しかったですよ。翌日の山への期待も膨らみましたね。

    今年の合宿で富山へ赴く機会があり、大日小屋でとらちゃんが山日誌にどんなことを描/書いてたのかみようと思っていましたが、あいにくの天気ですぐに帰阪しました。つくづく天気運がないのだなぁと思いながらも、再訪を楽しみにしている山の一つです!

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