放浪山旅|大雪山系巡り#03 ふたたび白雲

はじめに

みなさんこんにちは。とらちゃんです。

『放浪山旅|大雪山系巡り』では、部活の夏合宿(大雪トムラウシ縦走)終了後に、一人で再入山し、4泊5日で大雪山系を満喫する様子をお届けします。「せっかく北海道まで来たんだから!」精神で、「合宿では行けなかったところに足を伸ばしてみた!」を詰め込んだ山旅となっております。

#03では黒岳から白雲岳避難小屋に向かい、白雲岳で日の入りを満喫する様子をお届けします。どうぞお楽しみください。

黒岳から白雲岳

雨がテントをたたく音で目が覚める。数ある中で、これが一番嫌な起こされ方だ。

雨が降っている朝は、たいてい2度寝して時間を潰すのだが、なんだか目が冴えてしまってもう眠れそうにない。仕方なく体を起こす。「タイミングよく雨が止んでくれたりしないかな」なんて淡い期待をこめて、朝ごはんを1時間もかけて食べたが、雨は一向に止む気配がない。事前にダウンロードしていたラジオも、もう全部聞いてしまったしすることがない。雨の中歩くことを決意した。

テントを片付けていると、マスターがやってきて、「昼から雨が上がりそうだよ」と教えてくれた。それでも「暇なのでもう出発しちゃいます」と言うと、笑顔で送り出してくれた。小屋に宿泊していた人たちは、「えっ、この雨の中行くの?すごいねえ」「わあ、女の子1人?気をつけてねえ」と声をかけてくれた。ただ雨風がものすごく強いだけなのに、なんだか厳冬期にアルプスに挑む!みたいな気分になったとらちゃんは、真っ黄色のレインジャケットに身を包み、65Lのザックを背負って、胸を張って大股で歩き始めた。


…が、出発10分後、最初の分岐を間違えていたことに気づき、小屋まで引き返すことに。マスターに見つかったら恥ずかしいので小屋の近くは小走りで通り抜けた。

白雲岳避難小屋

雨風が強い中の山歩きはただの修行なのでとくに感想はない。(もちろん写真もない)

白雲岳避難小屋に到着すると、小屋にいた人たちが、「すごいねえ、この雨の中来たの!」「頑張ったねえ」とねぎらいの言葉をかけてくれて、なんだか嬉しくなって、ちょっと鼻の下が伸びる。小屋の中ですこし休憩させてもらってるうちに、気づけば雨は止み、青空が顔をのぞかせていた。外に出て、水たまりを避けながらテントを設営する。みるみるうちに雲がはけていき、あたたかい日差しが降り注ぎ始めたので、濡れた寝袋や靴下をテントの上にかけて天日干し。ついでにマットを外に出し、その上でお昼寝をした。

赤い小屋:白雲岳避難小屋  その右にある白いテント:マイテント

2度目ましての白雲岳

日が沈む少し前に、カレー飯をサブザックにつめて白雲岳に向けて出発。小屋からはコースタイムにして1時間の道のり。予定していたよりも昼寝が長引いたせいで、日の入りに間に合うかギリギリの時間になってしまったので、足早に山頂に向かう。

なんとか日が沈む前に山頂に到着。しばらく景色を堪能したあとは、お待ちかねの晩御飯タイム。ザックからカレーメシを取り出す。「こんな山頂でカレーなんか食べていいのかよ、」と一瞬思ったが、まあ誰もいないし、いいだろう。と言うことでお湯を沸かして注ぐ。カレーメシはお湯を注いでから5分で出来上がりなのだが、多分3分くらいしか待てなかった。なんかまだシャバいし、お米硬いなあ…と思いながらも、一度動き出した右手を制御することは不可能だった。あと3口くらいのところでちょうど良いカレーになっていた。

そうこうしているうちに、日はだんだんと低くなり、ついには山の向こうへ隠れようとしていた。

山に隠れる直前、日は赤みをまし強烈に光を発する。この瞬間になんの影響か、「命」を感じる。とりあえず、意味もなくゴルゴ松本の「命」のポーズをしてみる。こういうことを友達といる時にすると、大抵「恥ずかしい」と言われるのだけど、大丈夫、ちゃんとやる前とやった後に周りを確認したけど誰もいなかった。もし見られたら、ヨガをしてるふうにごまかそうって戦略も一応あったし。

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