はじめに
せーの、「セコマしか勝たん!」
みなさんこんにちは。北海道から帰ってきて1ヶ月、早くもセコマが恋しいとらちゃんです。
『山遠征|大雪トムラウシ縦走』では、私が所属する大学のワンダーフォーゲル部 2024年の夏合宿で行った大雪トムラウシ縦走の全貌をお届けします。
#01では、4泊5日に及ぶトムラウシ大雪テント泊縦走の計画段階から、登山口をくぐり1泊目のテント場・南沼キャンプ場にたどり着くまでの様子をお届けします。大阪発の大雪トムラウシ縦走を計画されている方の参考になれば幸いです。どうぞお楽しみください。

計画
昨年の夏、同期でレンタカーを借りて北海道を一周するというなんとも大学生らしい旅をしたのだが、その旅ですっかり北海道に魅了された私たちは、来年 自分たちがリーダーになった年の夏合宿は北海道で行おうと決意した。

リーダーになってからは来たる夏合宿に向けてリーダー自ら重たい荷物を担ぎ、さらに重たい荷物を後輩に持たせて、屈強な身体の育成に励んだ。
夏合宿のコースはトムラウシ登山口からトムラウシ山、旭岳を通って姿見駅まで縦走するコースに決定。忠別岳避難小屋で1日の休養日を挟み、4泊5日の計画である。

大阪 to 北の大地
9月1日の18時、夢の北海道夏合宿にむけて大阪を出発した。電車を乗り継いで京都の舞鶴港へ。24時、静まった日本海に浮かぶ巨大なフェリーは小樽港へ向けて出港した。


21時間に及ぶフェリー移動を終え、小樽港に到着した一行は港の近くにある「小樽温泉オスパ」へ向かった。ここは去年に同期で旅行した際にも訪れた場所で、深夜料金を支払えばそこで一夜を過ごすことができる貧乏登山者にとって超絶魅力的な場所である。20名そこそこの若人が皆3歳児くらいの大きさのザックを背負って押しかけたものだから、相当迷惑をかけてしまったと思うが、私たちにとってはあの宿(温泉)なしでは北海道合宿は片道切符となっていただろう。感謝感謝である。硫黄の効いた温泉で移動の疲れを癒し、その後、温泉の隣にある愛すべきセコマで買った晩御飯を持ち寄り同期で乾杯。お腹がいっぱいになるとウトウトするのは言わずもがな。2階の休憩スペースに銀マットをひいてシュラフに潜り込んだ。

翌日、朝風呂を堪能し、JRで札幌に向かった。札幌から 宿泊予定の東大雪荘の送迎バスが迎えにきてくれる新得駅まで特急に乗る予定だったのだが、台風の影響で発生した土砂崩れにより特急が止まってしまった。急遽高速バスポテトライナー(名前かわいい)に乗車することに。本来は新得駅から東大雪山荘の送迎バスに乗る予定であったが、宿泊予定の東大雪山荘さんのご厚意で、道の駅おとふけに臨時バスを出してくださりなんとか前泊地の東大雪山荘にたどり着くことができた。危うく台風さんに合宿をぶっ飛ばされるところだった。

到着後は、特別に用意していただいた特盛牛丼をかき込み、夜空が見える露天風呂付きの温泉でここまでの移動で凝り固まった体をほぐし、就寝した。
DAY1 トムラウシ登山口〜南沼キャンプ場
9月4日 早朝4時30分、まだ夜の名残が僅かに残る頃に東大雪山荘を出発。待ちに待った夏合宿の幕開けである。とらちゃんの荷物は26kgと過去最重量となっていた。なんとか持ち上げて背負うことはできたが 肩にズシンとのしかかるその重さは、合宿終わる頃には首が伸びていてもおかしくないと思わせるほどであった。腰ベルトをこれでもかとキツくしめて歩き始める。
登山口に入るとすぐに容赦ない急登が待ち構えていた。全身から汗が吹き出す。9月の北海道だというのに、なんだこのうだるような蒸し暑さは。悪戦苦闘しながらも東雪山荘で食べた牛丼とおにぎりをエネルギー源に少しづつ標高を上げていった。地道に歩を進め、やっとのことで樹林帯を抜けると空いっぱいに青が広がった。
山の深い緑と空の冴えた青のコントラストは非常に美しく、それまでの疲労は無かったことに。るんるん気分で足を進めた。

13時、南沼キャンプ場に到着。ザックをおろし体の節々を伸ばして全身に酸素を行き渡らせる。目の前にはトムラウシ山が鎮座しており、少し行った場所からは十勝岳連峰が一望できるという最高のロケーションである。

翌日も登るというのにピークをとりたい衝動がおさえられない複数名はトムラウシ山頂までピストン。(日射にやられた留守番組はテント場でまったり。)後輩が岩場をぴょんぴょんと軽い足取りで通過するのを横目に「よっこらせ」と声を漏らしながら登る。置いて行かれまいと必死に足を進め、最後は大きな岩場をなんとか登りきり山頂に到着。山頂からは360度の大パノラマ。旭岳に続く稜線がはっきり見える。「明日からここを行くんだね」と期待に胸を膨らまし、お腹をぐーぐー鳴らしながら留守番組が待つテント場に戻る。

晩御飯にはワンゲル定番のパスタを食べた。パスタは調理が簡単で早いし、味のバリエーションも豊富。パスタを茹でる水の量を間違えるとどろっとした白湯を後々飲まなければならないが、それさえ気をつければ登山にもってこい。ちなみにとらちゃん的パスタソースランキングは、1位たらこ、2位ジェノベーゼ、3位ゆず醤油。(誰得?)

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